
実は、地区のビアガーデン・夏祭り・そして落語会など、ときどき告知ポスターを作らせていただくことがある。さらに今年は協力員として、地域の行事に参加するようになって、仕事だけでは出会えない人たちとの交流が、思いのほか自分の世界を広げてくれることに気づいた。
先日、地域の落語会を鑑賞した。集会所に緋毛氈(ひもうせん)を敷いた即席高座(こうざ)が準備される。出演されているのは、落語を愛する方々による愛好会の皆さん。
落語を聞いて毎回感心するのは、長い話をすべて覚え、身振りや表情、声の使い方で観客を楽しませること。その努力もさることながら、会場に響くおばあちゃんたちの笑い声が、なんともステキなのだ。演じる人も、聞く人も、それぞれに楽しんでいる。そんな空間にいると、こちらまで自然と笑顔になる。若いお母さんが一緒に連れてきたAちゃんは、噺家さんカッコイイ!とファンになってしまった。
また、「100歳体操」も印象に残っている。名前から、高齢者向けのゆっくりとした体操を想像していたのだが、実際にやってみると、これがなかなかの運動量。ゆっくりした動きなのに、1時間もすると汗ばむほどだった。
「こうやるのよ」「ああするのよ」と、参加されている皆さんが振り返って親切に教えてくださる。体操が終わると、今度は私がお水を配る番。ところが、こちらがお世話をするつもりでいたのに、気づけば私のほうが気を使っていただいていた。
そんな何気ないやり取りが、なんだか心に残っている。地域の方々の顔を覚え、名前を覚え、次に会ったときはご挨拶をするようになる。
普段、仕事をしていると、職場の人間関係や仕事上の役割、そこでの常識が、自分にとっての当たり前になっていく。もちろん、それも大切なことだ。でも、子どもの部活動やPTA、地域の行事など、仕事とは違うコミュニティに身を置くと、年齢も立場も考え方も異なる人たちと出会うことになる。
そこでは、仕事で身につけた知識や経験がそのまま通用するとは限らない。むしろ、自分が教えてもらったり、思いがけず誰かに助けられたりすることもある。
そうした経験を通して、自分の中で狭い凝り固まりがちな価値観が少しずつほぐされ、社会との関わり方を学び直しているように感じる。
仕事以外のコミュニティは、ただの息抜きの場ではないのかもしれない。いつもの自分とは違う立場に立ち、違う世界に触れることで、自分自身を見つめ直す機会にもなる。
BEA/A.Watanabe

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