私が以前、ある企業でブランディング支援をしていた時のことです。
グループワークの時間は、どこか緊張した雰囲気があり、みんなが慎重になっている様子でした。意見を交わすというよりも、空気を読むことが優先されてしまい、場はなかなか温まりませんでした。
ところが、その後の休憩時間。お菓子をつまみながら、お茶を飲んでリラックスしている社員たちの会話を耳にしました。先ほどまで真剣な表情だった現場の社員さんたちと女性社員の方が、「それ、すごくいいアイデアだね!」と笑顔で話し合い、自然と盛り上がっていたのです。
その光景がとても温かく、嬉しく感じたのを今でも覚えています。
何気ないおしゃべりの中でこそ、新しい発想や前向きな気持ちが生まれることを改めて実感しました。こうした小さな一歩が、やがて組織全体の活性化につながっていくのだと思います。
一人ひとりが自分の意見を持ち、気軽に発信できること。それが、組織がより良い方向へ進んでいく第一歩になります。立場や経験に関係なく、お互いを尊重し、いろいろな価値観を受け入れる風土があれば、もっと創造的で活気のある職場になっていくはずです。
最近、「ワーカー」と「プレーヤー」という言葉をよく耳にします。ワーカーは与えられた仕事をこなす人、プレーヤーは自分で考え、工夫しながら行動する人です。プレーヤーは、単に指示を待つのではなく、自ら課題を見つけ、主体的に動くことで、組織や自分自身の成長を促す存在です。
もちろん、誰もが最初からプレーヤーになれるわけではありません。でも、「どうすればもっと良くなるかな?」と少しでも考えることで、仕事のやりがいや成長の実感は大きく変わってくるのではないでしょうか。
「自由に意見を言えること」「相手の話にしっかり耳を傾けること」。誰もが安心して発言できる場所や時間、環境をオフィシャルでつくることが、組織の可能性を広げ、新しい価値を生み出す力になると信じています。
あなたの職場では、プレーヤーが育つ環境がありますか?
Brand Control Adviser T.SAITO

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