ある日の、アイスブレイク。
(インナーブランディング_コラム)

「社員を主役に、企業が変わる。」を標榜する、弊社のインナーブランディング・ソリューション「+ブランディング」。


筆者が担当している全社規模のインナーブランディング・プロジェクトで、ここ数年導入しているのが、講義とワークショップの間に催す「アイスブレイク」と呼ばれるミニイベントだ。
インナーブランディング・プロジェクトの中では、講義とワークショップの間に挟まれ、しかも所要時間が5〜10分という超ミニイベントであることから、影に隠れた存在だが、とても効果のあるイベントだと考える。


一般的なアイスブレイクを発展・応用させ、インナーブランディング用にかなりカスタマイズしているこのオリジナルの「アイスブレイク」について、今回は紹介したい。


では、早速。そもそもビジネスの現場における一般的な「アイスブレイク」とは何なのか、そしてそれはどういう位置づけのものなのか。まずはその基本的なポイントを押さえておこう。

一般的な「アイスブレイク」についてWEBや書籍等で調べてみると、いくつか示唆に富む内容が示されていた。
要約してみると、下記のようないくつかのポイントが挙げられる。
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①「アイスブレイク」とは、会議や商談の場など、緊張感のある場や堅苦しさが漂う場をアイスに例えて、そうした空気や雰囲気を良い意味で壊す(ブレイクする)という意味で、「アイスブレイク」と名づけられている。


②「アイスブレイク」は、会議や研修など、堅くなりがちな場を和ませるために、本題とは直接関係のない雑談や簡単なゲームなどを行うことにより、参加者や相手の緊張を解きほぐし、本来のテーマに積極的に関わってもらいやすくするための有効なコミュニケーション方法。


③「アイスブレイク」を通して、相互のやりとりがスムースになるため、たとえば通常よりもパフォーマンスを発揮しやすくなるなど、さまざまな効果が期待できると言われている。


④アイスブレイクが活用できるビジネスシーン
・会議
・面談・面接
・研修・セミナー・ワークショップ
・商談


⑤アイスブレイクに使えるネタ&テーマ
・最近気になっているもの・こと(トレンド、健康、映画、ドラマ、旅行、家族etc)
・趣味や特技(習い事)
・好きな食べもの(ハマっている食べもの、行きたいお店)
・おすすめアイテム(生活雑貨、ビジネスユース、文具)
・今朝気になったニュース(天気、時事、エンタメ)
・ご当地ネタ(おすすめスポット、新店情報)
※アイスブレイクでは、上記のようなネタを基にした会話だけでなく、相互の距離を縮める方法としてゲームを行う場合もある。


⑥アイスブレイクの効果例
・初対面の参加者同士の会議や商談において、参加者の緊張がほぐれたり、場が和んだりすることで、活発な意見交換が期待できる。
・会議や商談において、短時間で相互に理解を深めたり、信頼関係を築いたりするキッカケづくりができるため、円滑なコミュニケーションが期待できる。
・多くの参加者がいる研修や会議の場であっても、参加者一人ひとりに意識が向けられるため、一人ひとりに主体性や積極性をもたせる意識付けの効果が期待できる。


⑦アイスブレイクの留意点
・本題に対するアイスブレイクの位置づけや目的を明確にして実行する。
・時間を決めて、短時間で実行する。
・アイスブレイクがそぐわない場面もあるため、参加者や内容を鑑みてケース・バイ・ケースで実行するかどうかを判断する。
・アイスブレイクの効果を最大限に発揮するために、当事者全員が参加できるようなネタやテーマを選定する。
・政治・宗教など、個人の信条に関わるようなネタやテーマは避ける。
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一般的な「アイスブレイク」について、こうしたポイントを知っているだけでも、ビジネスのさまざまなシーンで活用できるのではないだろうか。
もちろん最初は上記のようなポイントを抑えながら、そして徐々に自分なりにカスタマイズして活用していけば、日々会議や商談を行うビジネスマンにとっては、とても強力な武器の一つになっていくことは確かだろう。


そして「+ブランディング」では、上記の一般的な「アイスブレイク」を発展・応用させながら、オリジナルの「アイスブレイク」として進化させ、イベント化して実践・提供していることが特長だ。
※ただし、このオリジナルの「アイスブレイク」は超短時間のミニイベントということもあり、単体での提供・運用が難しいため、インナーブランディング関連のプロジェクトの中でも、長期プロジェクトの中に組み込んで提供・運用する場合が多いことに言及しておきたい。


では、オリジナルの「アイスブレイク」とは、どんな「アイスブレイク」なのか。
今も昔も、大中小問わずどんな企業においても、ベテラン社員のような年配の社員と中堅社員・若手社員の間には、目に見えない心理的な距離や壁、そしてジェネレーション・ギャップがあることは確かだろう。この距離や壁、ギャップをブレイクし、両者の相互理解を促進するために「アイスブレイク」の力を借りようと考えたのが、始まりだ。ここでは、ベテラン社員と中堅社員・若手社員が「素」で向き合えるような仕組みが意図的に組み込まれている点にも注目してほしい。
さらに、「アイスブレイク」の場面ではベテラン社員が一番の主役となり、聞き役ではなく話し役となり、全社員の前で下記のような内容を総合して、自分なりに話してもらうことになる。
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①自社の中でこれまでどのように歩んできたか
※入社〜今日まで。
※就職の時に、自社を選んだ時のエピソードなど。
※これまで仕事の中で大切・大事にしてきたいことなど。


②失敗した話
※「苦労した話」や「壁を乗り越えた話」に置き換えてもOK。


③自社や自身の担当業務で得た、ならではの経験
※自社で仕事をしていて、いまも大切にしているかけがいのない想い出やエピソードなどでもOK。


④これから、将来・未来について
※自分自身、こんな仕事に取り組んでいきたい(担当業務の視点から、こんな役割を担っていきたい)など。
※自社を、自分なりにこんな会社にしていきたいなど。
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上記の内容や方向性に縛られる必要は、もちろんない。何よりも、話者はその人らしさが出せると良いのではないだろうか。要は、「アイスブレイクの場」を「話者が普段は伝えられない想いをしっかりと伝える場」にしていくことができれば、成功だと思う。熱く語るのも、楽しく語るのも、その人らしさだろう。
ちなみに長期プロジェクト内で、何回かこのような「アイスブレイク」を実行する場合の注意点は、各自の話の内容・方向が同じならないようにフォーマット化してしまわないことだ。フォーマット化してしまっては、その人らしさが出てこなくなってしまう可能性がある。できる限り、話者の可能性を狭めてしまわないことが肝要だろう。

こうして、プロジェクト内の「アイスブレイク」という機会を得て、ベテラン社員は自身の仕事に対する想いや考え方・取り組み方を伝えることができる。そして、中堅社員・若手社員は、普段の仕事の中では知ることのできないベテラン社員の想いを聞き、普段見ることのできないベテラン社員の姿を目の当たりにする。


ここで想像してみてほしい。
もし上記のような内容を突然、普段の仕事中や休憩時間に伝えたとしたら、どうなるだろう。受け取る側からしてみれば、「えっ、なぜ突然その話?」と、なってしまうのは目に見えている。懇親会の場などで、こうした話をしている状況を思い浮かべてみてほしい。話す側は相当に気持ち良いかもしれないが、聞く側は相当に辛いばかりか、興ざめしてしまうだろう。


だからこそ、「アイスブレイク」の役目なのである。


こうした発展的・応用的な「アイスブレイク」でめざしたいところは、社内でいつもいっしょに働いている上司・同僚・仲間の「考え方」「想い」「これまで」「これから」に触れて、社員同士がお互いを認識し、認め合うためのその第一歩だ。


「アイスブレク」、そう氷が砕け溶け合っていくように、社員と社員、社員と経営者の見えない壁や境界が溶けて、社内全体が解け合い、互いに理解し合えるような…



「+ブランディング」では、今後もインナーブランディング・ソリューションを中心に、企業において社員と経営者が一つになり、めざす未来へ向かうためのお手伝いをしていきたい。


では、また。ある日に…。


Project planner OKADA Kenya


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