ある日の、ヒアリング。
(インナーブランディング_コラム)

「社員を主役に、企業が変わる。」を標榜する、弊社のインナーブランディング・ソリューション「+ブランディング」。

今年に入ってから、この「+ブランディング」関連の案件で、10月までに3人の経営者の方々にヒアリングする機会に恵まれた。

さまざまな業界・業種の中小企業様のもとでインナーブランディグ・プロジェクトの推進を担っている筆者は、常日頃から、案件対応のファーストステップである「ヒアリング」という行動を最重要視している。

もちろん、インナーブランディグ・プロジェクト以外の案件においても、それは同様に重要だろう。

インナーブランディグ・プロジェクトの下準備段階では、ヒアリングができなければ、プロジェクト・プランを構築することはままならにないし、自身が担当する企業のことを深く理解することはできない。ましてや、ヒアリングができなければ、経営者の方々の考え方や真意を理解することは到底できない。

それくらい筆者は、ヒアリングは重視している。

ヒアリングの重要性は、業種・業界・案件を問わず読者のみなさんにとっても、身をもって実感していることだろう。「ヒアリングが大事なことくらい、わかっている。そんなの常識でしょ」と返ってくるくらい、当たり前だろう。
また、業種・業界・案件が異なれば、ヒアリングする状況も、方法も、内容も千差万別。ベテランのビジネスマンともなれば、独自のヒアリング方法を持っている方もいるだろう。

耳の痛い話かもしれないが、ヒアリングは、ただこちら側が「聞きたいことを、聞けばよい」という話ではない。
試行錯誤しながら相当なヒアリング経験を積んできた方であれば、実践していることがある。それは、こちらが聞きたい内容を話してもらうためには、「どんなことを」「どんな聞き方で」「どんな流れで」を綿密に考えながら、ヒアリング項目を組み立てていくことだ。
さらに、このヒアリング項目を組み立てるためには、企業のことをある程度知らなければならい。つまり、企業のことも知らずに、何をヒアリングするというのか、である。
仮に企業のことを深く知らずに組み立てたヒアリング項目をぶつけられた経営者や担当者は、心の中でため息をつきながらつぶやくだろう。「この人、何もわかっちゃいないなぁ」と。そう、この時点で、もう相手にされなくなってしまう。そんな相手にされない状況で、こちらが望むヒアリングができるはずがない。
そう、ヒアリングは本当に奥が深いのだ。

もうお分かりかもしれなが、ヒアリング力に優れている人は、ヒアリング実行そのもの以上に、「ヒアリングの準備」を重視し、この準備と組み立てに時間をかけている。
「そんな面倒な準備をしなくても、いつもいいヒアリングができているよ」という人がいれば、それは一部の頭の良い人だけだろう。その頭の良い人もまた、よい頭の中へと企業に関するさまざまな情報をインプットして、頭の中でヒアリング項目を組み立てて、ヒアリングを実行している。頭が良いので、すべて頭の中でうまく完結できているにすぎない。これは、頭の良さと経験が組み合わさって成せる技である。
くれぐれも、一般のビジネスマンや経験の浅いビジネスマンは、頭の良い人のやり方を真似してはいけない。忙しいお客さまに無駄な時間を過ごさせないためにも、入念な準備をおすすめしたい。


弊社のインナーブランディング・ソリューション「+ブランディング」関連のコラムということもあり、ここからは、筆者がインナーブランディグのプロジェクト・プランを構築する上で、必ず実施する「経営者に対するプラン前ヒアリング」についてお話できればと思う。
※インナーブランディグのプロジェクト・プランを構築する際のヒアリングの話に寄ってしまうので、読者のみなさまにとって、まったく役に立たない情報提供になるかもしれないので、ここからは興味のある方々だけ、読み進めていただきたい。

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【ヒアリングまでの流れ:一例】

①企業に関する資料収集(経営指針書、経営者インタビュー記事、WEBサイトなど)

②収集した資料の読み込み

③実際のヒアリングで確認したいことを抜き出して、ヒアリング小項目として分類。

④分類した小項目の中でで、ヒアリングする優先順位をつける。

⑤ヒアリング大項目とヒアリング小項目を準備して、実際のヒアリングに臨む。

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【実際のヒアリング大項目:一例】
※各大項目には、関連する小項目をぶら下げておき、大項目の中で一通りヒアリングできるようにしておく。

①今後数年間で、御社をこういう会社にしていきたいという、社長の想いや、思い描いているビジョンを具体的にお聞かせください。

②現在すでに進めている、または今後計画している「新しい事業展開(新しいサービス展開)」や「新しい取組・プロジェクト展開」などはございますか?

③今後実施予定の企業ブランディング(インナーブラディング・プロジェクト)に。どんなことを期待しておられますか?

④社内・社員において、抱えている課題・問題をお聞かせください。

⑤社内の部門・職種など、御社の組織体制を教えてください。

⑥インナーブララディング・プロジェクトを推進してく上で、プロジェクトリーダーの候補が決まっているようでしたら教えてください。

⑦インナーブララディング・プロジェクト後について、何か次のステップなどについてお考えがあれば教えてください。

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ヒアリング大項目については、上記のようにある程度順番は決まっているが、項目自体をそのまま直接的に聞くのは皆無と断言してよいだろう。
なぜなら、ヒアリングという現場が刻々と変化する生き物のようなものだからだ。

もし、相手が気持ちよく話し始めたら、まずは止めることなく話してもらい、こちらは相槌を打って話を促す。
もし、相手の言葉が詰まったら、「こういうことですか」と、あいの手を差しのべてみる。
もし、相手が質問の内容に対して表情を曇らせたりしたら、一度質問を引いて、別の質問を投げかけて、話が盛り上がってきた頃で、もう一度別の言葉を用いながら再度質問を投げかけてみる。
もし、相手が質問に対して目を輝かせて答えてくれたとしたら、少し突っ込んだ質問を繰り出して、話題を深掘りし、当初の質問では得られないような答えを掘り出していく。
場合によっては、ヒアリングの流れの中であえて触れなくてもよい項目も出てきたりするし、話を広げるために、その場でいくつも質問を考えて投げかけて行く場合もある。
ヒアリングは生き物のようなものというのは、そういうことである。

これをテクニックという言葉で片付けたくはないのだが、ヒアリングして真意や考え方をしっかりと引き出していくためには、ヒアリング現場での相当な柔軟性と粘り強さは欠かせない。
ん、柔軟性は分かるが、「粘り強さ」とは?
それは、「ヒアリングで、必ず何かを持ち帰る」という気持ちで臨み、何かを掴むまで、ヒアリングしつづける粘り強さである。
「経営者の真意や考え方を聞き出さなければ、その企業様にとってのオリジナルの良いプランなど生まれない」という考えに立脚すれば、1 回限りのヒアリングは、プランナーにとっては命がけの現場と言っても過言ではない。

経営者が、ヒアリングの流れの中でポツンと放ったいくつかの言葉がプランに繋がる場合が、これまでも幾度となくあった。
むしろ、そうしたプランのヒントになるような真意や考え方を引き出し、見つけ、拾い上げることができなければ、オリジナルのプランは生まれないと、筆者は考える。もしかしたら、ヒアリングが欠かせない行動であり、重要だというのは、この点に集約されるような気がする。

+ブランディングでは、こうしてヒアリング後にインナーブランディング・プランディングのプロジェクト・プランを提案し、採用していただくと、プロジェクトは準備段階に入る。
実は、この準備段階において、経営者のみなさまには、弊社オリジナルの「経営者向けヒアリング5seets」と呼ばれるシートを使ったヒアリングを改めてお願いすることになる。これは、「①基本情報編」「②営業・市場編」「③人材・採用編」「④広報・広告・販促活動編」「⑤インナーブランディング編」から構成される5つのシート内の項目をすべて埋めていただき、直接のインタビューを通して、一つひとつ企業のことや経営者の考え・想い・戦略等を深掘りしていくことが目的になる。

そう、経営者のみなさまには、プラン提案前後に二度もヒアリングにお付き合いいただくことになる。
※ヒアリングは、御社を良くしていくための第一歩となる行動と捉えていただき、筆者がヒアリングで訪問した際には、ぜひ身構えずにオープンマインドで受け答えいただければ幸いです。経営者のみなさま、ぜひご協力をお願いいたします。


インナーブランディング・ソリューション「+ブランディング」では今後も、「社員を主役に、企業が変わる。」をコンセプトに、企業において社員と経営者が一つになり、めざす未来へ向かうためのお手伝いをしていきたい。


では、また。ある日に…。



Creative director, Planner & Copywriter OKADA Kenya


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