クライアント名 | 城北電気工事株式会社 様(山形県山形市) |
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WEBサイト | http://johokudk.jp/ |
YouTubeチャンネル | https://www.youtube.com/@user-oo9pf1rf8r |
課題 | 社員の一体感の醸成〜企業ブランドの構築 |
背景 | 山形市近郊を中心とした山形県村山エリアを営業エリアに電気工事事業を展開している城北電気工事株式会社は、内線工事〜外線工事〜配電工事、空調工事までをカバーする電気工事のオールラウンダーとして60年以上地域に根ざし、数多の実績と信頼を積み上げてきました。 1961年の創業から数えて4代目となる伊藤誠 代表取締役社長は、経営指針書を毎年更新しながら、さまざまな取り組みを行い、「少しずつしていなかったことをするようになってきて、できなかったことも少しずつできるようになってきている」と感じると同時に、ここ数年は「経営指針書を社員一人ひとりが達成することを、やりがいや成⻑のためにと捉えることができているのか」と疑問を感じるようになってきたようでした。また、「社員自身や⾃社の⽬的達成に向けて、社員全員が⼀体感を持って仕事に取り組むことができる雰囲気づくり」の必要性を感じていました。 こうした中で、今後特にBtoC領域で多様な情緒的価値創造型サービスの展開・拡充に力を入れていこうとするその過渡期において、城北電気工事の社員全員がつながり、一つになり、社員が共に理解し合い、尊重し合い、考え合い、話し合い、働き合い、育み合い、成長し合い、そして喜び合える企業・組織への進化・深化していくために、インナーブランディング・プロジェクト「城北電気工事For the 2065つなぐ、つながる、つなげるプロジェクト」がスタートしました。 |
提供ソリューション | 5seetsに基づいたトップヒアリング、社内印象アンケート、インナーブランディング・プロジェクトプランニング、プロジェクトマネジメント(運営準備〜実施サポート)、ブランドピラミッド構築(ブランドコンセプト構築含む)、コーポレートスローガン開発・設定(コーポレートメッセージ開発・設定含む)、キービジュアル開発・設定(ガイドライン含む/社内ポスター、名刺)、個人宣言プログラム |
プロジェクト期間 | インナーブランディング:2022年7月〜2023年1月 キービジュアル:2023年2月〜3月 個人宣言:2023年5月 |
①プロジェクトの立ち上げ
城北電気工事の社員が、互いに理解し合い、尊重しあい、全員がつながって一つになり、一人ひとりの社員がプロジェクトを通して主体的に考え自分自身の次の成長につなげる機会と、自分たちが働く城北電気工事という企業の良さ・強み・価値を見つめ直す機会を持ちながら、「一体性をもって、社員みんなで共に創りあげていく共創」「主体性をもって、社員一人ひとりが気づき・考え・行動する全員経営」ができる企業・組織へと踏み出すために、その一助となるプロジェクトとして、インナーブランディング・プロジェクト「城北電気工事For the 2065つなぐ、つながる、つなげるプロジェクト」を企画・提案し、伊藤社長の承認を経てプロジェクトが立ち上がりました。
「For the 2065」というプロジェクト名の由来は、伊藤社長が2015年に作成に取り組んだ50年年表にあり、2015年から起算した50年後の未来である「 2065年」から着想を得ています。プロジェクトに参加する社員さんにとっては、もちろん「2065年」は想像もできない遠い未来かもしれませんが、「いまがあるからこそ、 2065年の城北電気工事がある」という考え方のもと、いまこそ社員同士がしっかりとつながり、次への大きな一歩を全員で踏み出せるようにと想いを込めて、プロジェクト名へと昇華させました。
※当プロジェクトは、打ち上げ花火のように一過性で終わるのではなく、社員が、組織が、企業が一体になるために、さまざまな形で超長期的に発展させていける可能性をもったコンセプトも特長です。
②トップヒアリング、社内印象アンケートの実施
「城北電気工事For the 2065つなぐ、つながる、つなげるプロジェクト」のプロジェクト・キックオフに向けてまず、インナーブランディング・ソリューション「+ブランディング」の課題解決アプローチに基づいて、5seetsを活用した「トップヒアリング(経営者ヒアリング)」および、全社員・経営者に対する「社内印象アンケート」を実施。企業の基本情報をはじめ、営業・市場情報、人材情報、広報活動など幅広く、トップ(経営者)と社員の両視点から、城北電気工事の企業状況の把握に努めました。
③講義・ワークショップ(アイスブレイク)実施〜ブランドコンセプト完成
企業主体で実施する社内キックオフ、そしてプロジェクト・キックオフを経て、いよいよインナーブランディング・プロジェクトがスタート。両キックオフで「城北電気工事For the 2065つなぐ、つながる、つなげるプロジェクト」の目的・目標を段階的かつ丁寧に全社員へ共有したうえで、城北電気工事オリジナルのブランドピラミッドの構築に取りかかりました。
月1回ペースで全5回実施した講義・ワークショップでは、毎回3チームの考え方・意見を丁寧に集約しながら、「具体的な事実・特長」〜「ブランドキャラクター」まで一つひとつブランドピラミッドの各項目を積み上げ、最終的に城北電気オリジナルのブランドコンセプト「お客さまに、地域に、安心・安全・快適な、そして活気のある毎日を灯しつづける電気工事のオールラウンダーへ。(電気工事に関する高い技術・専門性と、豊富で幅広い経験・知識、優れた対応力・体制で、なんとかする。)」を導き出し、社員全員で一つのブランドピラミッドを完成させました。
※毎回2時間30分にもおよぶ講義・ワークショップの合間には、ベテラン社員〜総務部長・社長まで、城北電気工事での自身の経験や、会社・仕事への想いを自分なりのエピソードを交えて全社員と共有する「アイスブレイク」と呼ばれる発表時間を設置。ベテラン社員にとっては「自分の考えや想いをしっかりと次世代につないでいける」、若手社員にとっては「普段の会話ではなかなか聞くことができない話にふれられる」といったように、社員が相互に垣根を越えられる貴重な時間と場、機会を創出することができました。
④コーポレートスローガン完成
ブランドコンセプトを起点に、ブランドピラミッド全体から導き出し、企業の考え方や想い・めざしたい方向・ありたい姿などを一言に凝縮して、社内外にメッセージ・発信していくコーポレートスローガンは、プロジェクトを運営・サポートしてきた弊社側から、アイディアを複数提案。全社員・社長が参加するコーポレートスローガン社内検討会で、まず各チームから選定したコーポレートスローガンについてプレゼンテーションを行い、最終的に全社員・社長を含めた全員投票を行い、「ともに、ともす。」という城北電気工事のコーポレートスローガンが完成しました。
6カ月間にもおよんだ「城北電気工事For the 2065つなぐ、つながる、つなげるプロジェクト」を通して、社員全員が城北電気工事という企業の強みや良さを深く理解したうえで、社員同士がしっかりとつながり、次への大きな一歩を全員で踏み出して、プロジェクトは第1フェーズを終えました。
※コーポレートスローガン決定後に、コーポレートスローガン「ともに、ともす。」に込めた想いや価値観を明文化して、社内外に端的に、わかりやすく伝えていくためのコーポレートメッセージも構築。
⑤キービジュアル構築〜社内ポスター、名刺、ガイドライン(第2フェーズ)
コーポレートスローガン完成後の第2フェーズでは、伊藤社長と弊社クリエイティブチームが二人三脚となりキービジュアルの構築に力点を置きました。
まずキービジュアルの方向性を複数出しながら探り、伊藤社長から幾度もフィードバックを受けて方向性を絞り込み、そこからキービジュアルのドラフト版を起こして、双方でクリエイティブチェックを繰り返した後、キービジュアル完成までに要した期間は約2カ月間。ビンクとイエローを使ったグラデーションの色面でシンボリックに、さらに光をイメージした線と面で街並みを描いたイラストレーションで構成したキービジュアル全体で、コーポレートスローガン「ともに、ともす。」を携えた新しい城北電気工事らしいビジュアルに仕上がりました。
キービジュアル完成後は、まずはコーポレートスローガンとコーポレートメッセージの社内浸透・定着を図るべく、社内掲示用ポスターと名刺の裏面、広報誌のヘッドライン部分への展開を実行。今後はヘルメットや社用車側面、封筒などの自社ツール、採用パンフレットなどの社外向け情報発信ツールでの活用・展開を企図しています。
⑥個人宣言プログラム(第3フェーズ)
インナーブランディング・プロジェクト終了から4カ月後。プロジェクトを通して社員全員で導き出したブランドコンセプトをはじめ、ブランドの考え方や想い・価値観などを、社内・社員へ理解・浸透促進していくための施策として、社員全員に対して個人宣言プログラムを実施。全社員・経営者が個人宣言を作成し、全社員参加の月例会議で発表・共有を行いました。
※個人宣言を通して、ブランドコンセプトを社員が意識的に体現していくこと、そしてブランドコンセプトに則って社員が判断・行動していくことは、ブランドコンセプトそのものを形骸化させないためのファーストステップであり、また社員がブランドコンセプト等をしっかりと自分たちのものにして、最終的には自分たちのメッセージやイメージとして広く外部に発信していけるようにしていくための、強固な土台づくりでもあり、弊社ではインナーブランディング・プロジェクトの延長線上において、社内・社員への理解・浸透の促進施策の一環として個人宣言プログラムの導入を推奨しています。
城北電気工事が、お客様と地域にお届けする「安全・安心・快適な、そして活気のある毎日」という無数の光が行き交う様子を、ピンクとイエローを使ったグラデーションの色面でシンボリックに表現。さらに、城北電気工事が根ざす地域(特に街)を、光の線と面で構成したイラストレーションで描いて、いくつもの光を通して「暮らしに、光(安全・安心・快適な、そして活気ある毎日/解決策)を灯していく」城北電気の姿勢や想い、さらに街が活気づいてく様子を表現しています。
ビジュアル全体で、コーポレートスローガン「ともに、ともす。」を表現していく、受容性と拡張性のある表現となります。こうしたビジュアル表現を通して、受容性と拡張性を持ち合わせた城北電気工事らしさを定着させていきたいと考えました。
※特にピンクとイエローをメインに使用しているのは、城北電気工事のロゴマークで強調色として使われている「温かな心を表すピンク」と「確かな技術を表す、電気の象徴色の黄色」を効果的に使い、従来にはない表現をしたいと考えたからです。
※ピンクとイエローを使ったグラデーションでは、光が行き交うだけでなく、全体のイメージを通して、光が未来に向かって広がっていく様子も同時に描いています。
※光の線と面で構成したイラストレーションの全体のシルエットが、ハート型になっているギミックも特長です。
城北電気工事株式会社のみなさん
斎藤健 岡田健也 前田晃 五十嵐久仁子