1907年(明治40年) | 田宮五郎が西村山郡河北町で「田宮活版」創業 |
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1945年(昭和20年) | 有限会社田宮印刷所設立 六日町に工場建築 |
1951年(昭和26年) | 株式会社田宮印刷所に組織変更 |
1968年(昭和43年) | 本社工場を山形市の立谷川工業団地に移転 |
1996年(平成8年) | 田宮印刷株式会社に商号変更 |
2003年(平成15年) | 立谷川工業団地に新工場(立谷川工場)完成 |
2004年(平成16年) | ISO9001 認証取得 |
2005年(平成17年) | ISO14001 認証取得 |
2010年(平成22年) | 田宮印刷株式会社の子会社として、株式会社フロット設立 |
2011年(平成23年) | 仙台支店が宮城野区小田原に移転 |
2017年(平成29年) | 地域活性プロジェクト「STUDIO TANE」始動 |
2019年(令和元年) | WEB マガジン「TAGAYASU」公開 日本印刷個人情報保護体制認定制度(JPPS)認定 |
2023年(令和5年) | 本社の営業部門と株式会社フロット(山形)を立谷川工場内に移転 |
2024年(令和6年) | 田宮印刷株式会社は株式会社フロットを吸収し、新生「株式会社フロット」を設立 |
“ぞうり”を手に持ちながら、田宮五郎は思いました。「地域の農家がもっと安定した生活を送れないだろうか」。河北町の村役場に勤めていた十二代目の田宮五郎は、寝ても覚めてもそのことを考え、冬の副業だった「ぞうり作り」を河北町の代表的な産業へと発展させました。
明治22年、五郎は日本初の「ぞうり表圧搾機」を発明し、地元の発展に尽力しました。学問も重要だと考え、英語を学ぶ「英学会」や「谷地読書協力会」を結成します。明治43年には、日露戦争の危機に直面した「谷地活版所」を引き継ぎ、印刷技術を学び、自宅で「田宮印刷所」をスタートさせました。
五郎は地域と人のために汗を流しましたが、病により47歳で他界。しかし、助成会が登場し、有志たちが経営を支え、田宮印刷所を存続させました。昭和20年には有限会社田宮印刷所を設立し、その後は国内の景気・経済成長に合わせて印刷業が大いに発展しました。2003年には新社屋を竣工し、次いで最新の精鋭設備を整えた新工場を建設しました。
その後、急速なインターネットの普及と2009年の金融危機により、印刷産業は厳しい状況に直面します。
創業100年を超えたある時、「2010年には会社のソフト部門を別会社にする」という大胆な決断をします。業界は縮小ムード、新工場建設という大きな投資をした後という事もあり、「遂に30人の大規模リストラか!?」……そう噂されることもありました。
ですが、「将来、ソフト部門を際立たせた方が生き残っていける」という確信にも似た自信が当社にはありました。当時90%以上が印刷の受注でしたが、インターネットの普及による市場の変化はもっと加速するだろう……。「一日でも早く、印刷物以外のデジタルコンテンツを幅広く対応できる組織にするべきで、そのためには印刷会社の一部門ではいけない」と。難しい状況でも、田宮五郎の精神を絶やすことなく、「印刷を請け負う会社」から、「お客様に提案できる会社」への変革を目指し、技術力だけでなく企画提案力を育て、先を見据えて復活の兆しを描きました。
こうして2010年、田宮の100%子会社として、株式会社フロットが誕生しました。社名には田宮五郎のDNAを受け継ぐとともに、「田宮印刷の前頭葉(Frontal Lobe Of Tamiya)」という意味が込められました。
設立当初は、脆弱な組織で管理体制は不十分、半年後には東北大震災に見舞われ、組織体制も経営環境も、けして順風満帆のスタートではありませんでした。しかし、長年培ってきたチームワークや新しい知識、技術習得する力は高いものがあり、経営方針から戦略、個人目標まで落とし込んだスキルアップ計画を立て、プロジェクトによる新事業への育成投資を地道に行いました。その結果、企画提案力やWEB・動画実績がしっかり伸びてきました。
株式会社フロットは、お客様の課題解決、デジタルコンテンツの実績を上げ、独立して育てた力が、改めて田宮印刷にとって頼りになる存在となりました。そして、その軌跡は、田宮印刷の連携により支えられてきたからこその結果でした。
そして2024年1月、117年続く田宮印刷株式会社は、子会社の株式会社フロットを吸収・合併し、新たに株式会社フロットとして生まれ変わりました。
新しいフロットの社名には「F+LOT:私たち一人ひとりが想う「F」を、いっぱい「LOT」宣言し【ともに歩み、ミライへ。】」を込めました。
これからも、地域に貢献できる企業として共に成長するために、田宮印刷・フロットは持ち前のチームワークと変化への対応力を発揮し、新しい時代への挑戦を続けていきます。
田宮五郎の創業の精神を守り続けた助成会。仲間を増やし、会社を築き上げ、その中で人材を育て代々経営を行ってきた田宮印刷・フロット。
これからも時代の変化を見据え、地域に貢献する組織として成長し続けます。